一髪千鈞を引く
読み方:いっぱつ せんきん を ひく
意味
一本の髪の毛で非常に重い「千鈞」の重さを引っ張るように、わずかな支えで重大な事態がかろうじて保たれている、きわめて危険で不安定な状態をいう。少しの変化や失敗で大きな破綻・災難につながりかねない局面のたとえ。
由来
中国・唐代(8~9世紀)の文学者、韓愈(かんゆ)が書いた書簡「与孟尚書書(よもうしょうしょしょ)」の「其危如一髪引千鈞(その危うきこと、一髪もって千鈞を引くがごとし)」に基づく故事成語。鈞は古代中国の重量単位で、千鈞は髪の毛一本では到底支えられないほどの極めて重い重さを表す。
備考
硬い文章や報道・論評で用いられやすい故事成語。「危機一髪」と近いが、重いものをかろうじて支えるような、極度の不安定さを強調する。
別表記
- 一髪千鈞
- 一髮千鈞を引く
- 一髮千鈞
誤用・混同注意
- 「一発千鈞」や「一髪千金」と書くのは誤り。正しくは、重量単位の「鈞」を用いる「一髪千鈞」。
- 「小さな力で大きな成果を上げる」という意味ではない。わずかな支えに大きな負担がかかる、非常に危険な状態を表す。
例文
- 老朽化したつり橋は、わずかな支柱で全体を支える一髪千鈞を引く状態だった。
- 国境で両軍がにらみ合う情勢は、一髪千鈞を引く緊張のうちにあった。
- 交渉が決裂すれば会社の存続も危うい。一髪千鈞を引く局面だからこそ、慎重な判断が必要だ。
分類
類義語
対義語
- 泰山の安きに置く
- 安穏無事