鼴鼠飲河
読み方:えんそ いんが
意味
モグラが大河の水を飲んでも、自分の腹が満たされる量しか飲めないことから、人は自分に必要な分以上の財物・地位・名声などを求めるべきではなく、分相応のところで満足すべきだというたとえ。
由来
中国・戦国時代(前4~前3世紀頃)に成立したとされる『荘子』「逍遥遊」に由来する。堯が天下を許由に譲ろうとした際、許由がこれを辞退し、「偃鼠が河の水を飲んでも、満腹になるだけだ」と述べた故事から生じた。原典では「偃鼠飲河、不過満腹」といい、「鼴鼠」は「偃鼠」の異表記である。
備考
日常会話ではまれで、文章語・教養語として用いられる。「河の水を飲み尽くす」という意味ではなく、必要な量だけで満足するという戒めを表す。
別表記
- 偃鼠飲河
補足
- 「鼴鼠」を訓読して全体を「もぐらいんが」などと読むのは誤り。慣用読は「えんそいんが」。
- 「河の水を飲み尽くす」「大食い」の意味とするのは誤り。必要以上を求めないことのたとえである。
例文
- 新規事業の予算を際限なく求めるのではなく、鼴鼠飲河の心構えで必要な資金を見極めよう。
- 彼は昇進や名声に執着せず、鼴鼠飲河を旨として質素に暮らしている。
- 資源には限りがあるのだから、社会全体で鼴鼠飲河の精神を大切にすべきだ。