鷦鷯一枝
読み方:しょうりょう いっし
意味
人は自分の身の丈に合った、わずかな住まいや利益があれば十分であり、必要以上のものを求めるべきではないというたとえ。転じて、分をわきまえ、足ることを知って質素に満足する生き方をいう。
由来
中国の古典『荘子』「逍遥遊」に見える故事に基づく。堯が許由に天下を譲ろうとしたところ、許由は「鷦鷯巣於深林、不過一枝(鷦鷯は深林に巣くうも、一枝に過ぎず)」などと述べ、自分には必要以上の地位や利益はいらないとして辞退した。この故事から、身の丈に合うわずかなもので満足し、分を越えて求めないことを表す。
備考
「鷦鷯」はミソサザイなどの小鳥を指す漢語。日常会話ではまれで、文章語・教訓的な文脈で用いられる。「一枝」は必要最小限の居場所の象徴であり、単なる貧しさではなく知足・安分の態度を表す。
誤用・混同注意
- 「鷦鷯」を「鷦鷹」などと書き誤らないよう注意する。
- 単に「小さな住居」や「一つの枝」を指す語ではなく、分相応に満足するという教訓的な意味で用いる。
例文
- 祖父は鷦鷯一枝の精神で、広い家や高価な品を求めず、慎ましく暮らしていた。
- 昇進しても生活をむやみにぜいたくにしない彼の姿勢には、鷦鷯一枝の教えが感じられる。
- 競争の中で多くを得ようとするだけでなく、鷦鷯一枝、今ある幸せに満足することも大切だ。