魚沈雁杳
読み方:ぎょ ちん がん よう
意味
魚は水中に沈み、雁は遠くへ去って姿が見えなくなったという意から、手紙を運ぶとされた魚や雁がいなくなり、便りが全く届かないことをいう。転じて、相手の消息や連絡が長く途絶えている状態を表す。
由来
唐代・8世紀後半の詩人、戴叔倫(たいしゅくりん)の「相思曲」にある「魚沈雁杳天涯路、始信人間別離苦」という句に基づく。中国では魚や雁を手紙・消息を運ぶものにたとえる伝統があり、それらが沈み去ることから、音信が絶える意味となった。
備考
文語的で、現代の日常会話ではあまり用いない。美人の容姿を形容する「沈魚落雁」とは別の語であり、本語は音信・消息が途絶えることをいう。
補足
- 美人の美しさを表す「沈魚落雁」と混同することがあるが、「魚沈雁杳」は音信が途絶える意。
- 「杳」を『よう』ではなく『びょう』と読んだり、意味を『ぼんやりしていること』だけと誤解したりすることがある。
例文
- 海外へ赴任して以来、旧友とは魚沈雁杳で、今どこで何をしているのかも分からない。
- 戦地へ向かった息子から魚沈雁杳となり、家族は毎日その無事を案じていた。
- かつては魚沈雁杳だった恩師から、数十年ぶりに一通の手紙が届いた。
分類
類義語
- 杳無音信
- 杳無消息
- 音信不通
- 消息不明