餐風飲露
読み方:さんぷう いんろ
意味
風を食べ物とし、露を飲み物とするという意味から、世俗を離れた仙人・隠者のように、自然の中で質素に暮らすことをいう。文脈によっては、野外や旅先で食事や住居に恵まれない厳しい生活を表すこともある。
由来
中国・明代の思想家、王守仁(王陽明)の文章「瘗旅文」に見える「餐風飲露、無爾饑兮」に由来するとされる。正徳4年(1509年)頃の作で、野外で亡くなった身元不明の旅人を弔う文章である。風を食べ、露を飲むという極端に自然に寄り添った生活の比喩が、後に隠者的・清貧な生活、または野外生活の苦しさを表す語となった。
備考
雅語的で日常会話ではあまり用いない。隠者の清らかで質素な暮らしをいう場合と、風雨にさらされる野外生活の苦労をいう場合があるため、文脈で判断する。
別表記
- 餐風飮露
補足
- 「風餐露宿」と混同しない。「風餐露宿」は、旅の途中で風にさらされ露を宿として過ごすような苦労を主にいう。
- 「吸風飲露」は類義の成句であり、「餐風飲露」の誤記ではない。
例文
- 彼は都会の喧騒を離れ、山奥で餐風飲露の暮らしを送っている。
- この小説は、餐風飲露を理想とする隠者の静かな生き方を描いている。
- 山での生活を安易に餐風飲露と美化してはならず、十分な食料と装備を用意すべきだ。