風前残燭
読み方
ふうぜん の ざんしょく
意味
風の前に置かれた、燃え残りのろうそくのこと。今にも火が消えそうな様子から、老人や病人の命が尽きかけていること、または国・組織・事業などが滅亡・消滅寸前の非常に危うい状態にあることをたとえる。
由来
中国の漢文に見られる「風の前の燭火」という比喩を背景とする語。「風前」は風が直接当たる場所、「残燭」は燃え残ったろうそくを表す。風によってすぐ消えそうな火を、尽きかけた命や滅亡寸前の物事になぞらえた。特定の出典・成立年は明確ではないが、日本では漢文の受容を通じて定着した語である。
備考
人の死期や組織の滅亡など、深刻で切迫した状況に用いる重い表現。「風前の灯火」とほぼ同義である。相手の病状や高齢を直接表す際は、配慮が必要。
例文
- 重い病を患った祖父は、自らの命を風前残燭だと静かに語った。
- 資金繰りが悪化し、その会社は風前残燭の状態に追い込まれている。
- 担い手の高齢化が進み、この地域の伝統芸能は風前残燭となりつつある。
類義語
- 風前の灯火
- 風前灯火
- 累卵之危
- 朝不保夕
- 危機一髪
対義語
- 安穏無事
- 盤石不動
- 前途洋洋