酌古斟今
読み方:しゃっこしんこん
意味
昔の事例や知識と、現在の事情や考え方の双方を十分に考慮し、適切に判断・処置すること。古いものを無条件に守るのでも、新しいものだけを重んじるのでもなく、古今の長所をくみ取る態度をいう。
由来
中国南朝・梁代の史書『南斉書』の「高逸伝論」に見える「酌古斟今、不失其誼」に基づく。『南斉書』は南斉(479~502年)の人物を記した史書で、蕭子顕が6世紀前半、537年ごろに完成させたとされる。「酌」「斟」はともに、くむ・よく考慮する意で、「古を酌み、今を斟む」、すなわち古今の事理をよく吟味することを表す。
備考
文章語・漢文調の硬い表現で、日常会話ではあまり用いない。「温故知新」が古い事柄から新たな知識を得る意なのに対し、「酌古斟今」は古今の事情を比較・考慮して判断する意が中心である。
誤用・混同注意
- 「しゃっこしんきん」などと読まない。正しくは「しゃっこしんこん」。
- 「斟」を「酌」と書き換えて「酌古酌今」とするのは誤り。
例文
- 新制度を設計する際には、酌古斟今の姿勢で伝統と現代社会の要請を見極める必要がある。
- この研究は、古典の知見を現代の課題に照らして考察する、酌古斟今の試みとして評価された。
- 彼は酌古斟今を旨として政策を論じ、過去の制度をそのまま復活させることはしなかった。