遠慮近憂
読み方:えんりょ きんゆう
意味
遠い将来まで見通してよく考える「遠慮」がなければ、近いうちに心配事や困難である「近憂」が必ず生じるということ。目先のことだけでなく、将来を見据えて慎重に計画し備える大切さをいう。
由来
中国の古典『論語』衛霊公篇にある孔子の言葉「人無遠慮、必有近憂(人に遠慮なければ、必ず近憂あり)」に基づく。成立は春秋時代の孔子(紀元前6~前5世紀)に由来し、『論語』としては戦国時代から前漢初期ごろに編纂されたとされる。「遠慮」はここでは現代語の「控えめにすること」ではなく、遠い将来まで考慮することを意味する。
備考
「遠慮」は現在一般的な「辞退する・控えめにする」という意味ではなく、「遠くまで思いを巡らすこと」。格言的・文章語的な表現であり、日常会話では「先を見越して備える」などと言い換えることが多い。
誤用・混同注意
- 「遠慮」を現代語の「控えめにすること」と解釈しない。ここでは「遠い将来への考慮」をいう。
- 出典の原文は「人無遠慮、必有近憂」であり、「遠慮近憂」はその趣旨を四字に縮めた表現である。
例文
- 設備の更新を先送りにして故障が相次いだ。まさに遠慮近憂で、長期的な保守計画の必要性を痛感した。
- 少子高齢化への対策は、遠慮近憂の教えに従い、目先の負担だけでなく数十年先を見据えて進めるべきだ。
- 彼は遠慮近憂を座右の戒めとし、旅行の前には非常時に備えて連絡先や予備の資金を用意している。
分類
類義語
対義語
- 行き当たりばったり
- 無計画
- 刹那主義