道貌岸然
読み方:どうぼう がんぜん
意味
いかにも道徳心が高く、威厳があってまじめそうな顔つき・態度をしていること。現代では、実際にはそうでないのに道徳家や善人のように振る舞うさまを、皮肉や非難の気持ちを込めていうことが多い。
由来
中国の敦煌文書に伝わる仏教説話・講経文を集めた『敦煌変文集』に見える語とされる。唐代から五代ごろ(おおむね7~10世紀)に成立した文献中の「道貌、岸然として四衆の中にあり」といった表現に由来する。「道貌」は道徳を身につけた人のような顔つき、「岸然」は高く厳かなさまをいう。
備考
本来は威厳があり道徳的に見える外見を表す語だが、現代日本語では「実質を伴わず善人ぶる」という皮肉・非難の意味で使われることが多い。人への評価としては強い否定的な響きがある。
誤用・混同注意
- 「道貌厳然」と書くのは誤りで、正しくは「道貌岸然」。
- 単に「威厳があって立派だ」という褒め言葉だと理解するのは不十分で、現代では偽善や見せかけを皮肉る用法が多い。
例文
- 彼は会議では道貌岸然として法令順守を説くが、陰では規則を破っている。
- 道貌岸然たる口調で他人を非難する前に、自分の行いを省みるべきだ。
- その人物の道貌岸然とした態度に、周囲はかえって偽善的な印象を受けた。
分類
類義語
- 善人面
- 偽善的
- 道学者ぶる
- 冠冕堂皇