轍乱旗靡
読み方:てつらん きび
意味
戦いに敗れた軍勢の車輪の跡が乱れ、旗がなびき伏すほど、軍の隊列や統制が完全に崩れること。そこから、戦い・競争・勝負などで相手が大敗し、惨敗して総崩れになるさまをいう。
由来
中国の歴史書・古典である「春秋左氏伝」荘公十年に由来する。紀元前684年の斉と魯の長勺の戦いで、魯の曹劌が退却する斉軍について「轍乱れ、旗靡く」と見定めてから追撃したという記述に基づく。書物としての「左伝」の成立は、おおむね戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)とされる。
備考
本来は敗走する敵軍の車跡と旗の乱れを表す軍事語。現代では、試合・選挙・企業間競争などで一方が惨敗する比喩にも用いる。個人の小さな失敗にはやや大げさな表現である。
別表記
- 轍亂旗靡
補足
- 「轍」を「徹」と書くのは誤り。轍は車輪の通った跡をいう。
- 「靡」を「微」や「非」と取り違えない。ここでの「靡」は、なびく・倒れる意。
- 単に混乱している意味ではなく、敗走・惨敗によって隊列が崩れる状況を表す。
例文
- 後半に守備陣が崩れると、相手チームは轍乱旗靡の状態となり、大差で敗れた。
- 価格競争で主力商品のシェアを失った競合社は、轍乱旗靡の様相を呈している。
- 敵軍の轍乱旗靡を確認してから追撃するという故事は、慎重な状況判断の重要さも示している。
分類
類義語
対義語
- 旗鼓相当
- 士気旺盛