虚与委蛇
読み方:きょよ いい
意味
相手に心から同意・共感しているわけではないのに、その場を取り繕うため、表面上は調子を合わせて適当に応対すること。誠意のない迎合や、はっきりした態度を避ける曖昧な対応をいう。
由来
中国の思想書『荘子』の「応帝王」に見える「吾与之虚而委蛇(われこれと虚にして委蛇す)」に基づく故事成語である。成立は戦国時代から前漢初期にかけて(おおむね紀元前4~3世紀ごろ)とされる。虚与は心を空にして相手に応じること、委蛇は体をくねらせる意から転じて、状況に応じて柔らかく調子を合わせることを表す。
備考
多くは、信念や誠意を欠いた「その場しのぎ」の応対を批判的にいう。単なる円滑な社交や柔軟な対応を褒める語としては通常用いない。
誤用・混同注意
- 読みを「きょよいだ」とするのは誤りで、一般に「きょよいい」と読む。
- 「委蛇」は「委だ」「委与」などと書き誤られやすい。
- 単に愛想よく応対するという褒め言葉ではなく、誠意のない迎合・曖昧な対応を指すことが多い。
例文
- 取引先の無理な要求に対し、部長は即答を避けて虚与委蛇の態度を取った。
- 彼は反対意見を持ちながらも、その場では虚与委蛇して話を合わせていた。
- 問題の解決には、虚与委蛇な返答ではなく、率直に方針を示すことが必要だ。