虎兕出柙
読み方:こじ しゅうこう
意味
虎や兕(サイ)が柙(おり)から出ること。転じて、危険な人物・事態を監督・管理すべき立場の者が責務を怠り、逸脱や事故を招くこと、またはその管理責任をいう。
由来
出典は論語の季氏篇。春秋時代末期の孔子(前6~前5世紀)の言行を、戦国時代ごろに編纂したとされる書物に見える。季氏が顓臾を攻めようとした際、孔子が家臣の冉有・子路に対し、虎や兕が柙から出たなら飼育・管理する者の責任であるとたとえ、主君を諫めず攻撃を止められない家臣の責任を戒めた語である。
備考
「兕」は古代中国でサイなどに比定される獣、「柙」は獣を入れるおりを指す。現代の日常会話ではまれで、漢文の解説や責任論を述べる硬い文章で用いられる。
誤用・混同注意
- 「虎児出柙」は誤り。「兕」は「じ」と読む。
- 「柙」を同音の「匣」と取り違えない。原典の字は「柙」である。
例文
- 監督者が危険物の持ち出しを見過ごしたなら、まさに虎兕出柙であり、管理責任は免れない。
- 不正を知りながら放置した組織の姿勢は、虎兕出柙に等しいとして厳しく批判された。
- 権限を持つ者が適切な監督をしなければ、虎兕出柙の事態を招きかねない。