苦口婆心
読み方:くこう ばしん
意味
相手のためを思い、耳の痛いことや言いにくいことでも、心を尽くして何度も丁寧に忠告・説得すること。「苦口」は厳しいことを言って戒めること、「婆心」は子をいたわる老女のような慈愛深い心をいう。
由来
中国の禅宗語に由来する。北宋の景徳元年(1004)ごろに成立した禅宗の灯史『景徳伝灯録』を典拠とする。「婆心」は老婆が子どもを慈しむような深い慈悲心、「苦口」は相手のためにあえて厳しいことを言う意であり、両者が結び付いて、真心から繰り返し教え諭す意味になった。
備考
相手への愛情や真心を前提とする表現で、「苦口婆心の忠告」「苦口婆心に諭す」のように使う。ただし、受け手には小言や説教のように感じられる場合もある。
補足
- 「苦口良薬」と混同して「苦口良心」と書くのは誤り。
- 「婆心」を「ばばしん」と読まず、通常は「ばしん」と読む。
例文
- 先生は生徒の将来を案じ、苦口婆心の指導を続けた。
- 両親が苦口婆心に忠告してくれた理由を、今になって理解した。
- 上司は部下を責めるためではなく、苦口婆心で仕事の改善を促した。
分類
類義語
- 懇々切々
- 懇切丁寧
- 親身な忠告
- 苦言直諫
対義語
- 冷酷無情
- 無関心
- 放任