芝蘭之室
読み方:しらん の しつ
意味
芝や蘭の香りが満ちた部屋のように、徳のある人や優れた人々と交わる環境をいう。そのような人々と長く付き合えば、香りに自然となじむように、知らず知らずのうちに人格や行いがよい方向へ感化されるというたとえ。
由来
中国の古典「孔子家語」六本篇にある、善人と共に暮らすことは芝蘭の室に入るようなもので、長くいるうちに香りに染まる、という孔子の言葉に基づく。対照的に、悪人と交わる場を「鮑魚之肆」という。成立時期には諸説あるが、「孔子家語」は伝統的には魏代(3世紀)の王粛の編纂とされる。
備考
主に文章語・教訓的な表現として用いる。「芝」「蘭」は香り高い草花を表す。実際の部屋を指す語ではなく、善良な人々との交際やよい教育環境のたとえである。対句として「鮑魚之肆」がある。
別表記
- 芝蘭の室
誤用・混同注意
- 読みを「しばらんのしつ」としない。正しくは「しらんのしつ」。
- 善人との交際そのものを表す「芝蘭之交」と混同しない。芝蘭之室は、善人に感化される環境・場のたとえである。
例文
- 誠実で向上心のある仲間に囲まれた彼の職場は、まさに芝蘭之室といえる。
- 子どもを芝蘭之室に置くことが、日々の言葉遣いや態度にもよい影響を与える。
- 新入社員が芝蘭之室で学べるよう、模範となる先輩が指導役を務めた。
分類
類義語
対義語
- 鮑魚之肆