自覚覚他
読み方:じかく かくた
意味
自ら仏の教えによって迷いを去り悟りを得るとともに、他人にも教えを説いて悟りへ導くこと。「自覚」は自己の悟り、「覚他」は他者を悟らせることをいう。仏・菩薩が備えるべき理想的な徳を表す仏教語。
由来
中国の仏教書『大乗義章』などに見られる、仏の徳を説明する語に基づく。「自覚・覚他・覚行窮満、名之為仏(自ら悟り、他を悟らせ、その行が完全に満ちた者を仏という)」という考え方から成る。『大乗義章』は中国・北斉から隋の時代、6世紀頃に慧遠が著した仏教論書である。
備考
主に仏教、とくに大乗仏教の文脈で用いる語。しばしば「覚行窮満」を続けて「自覚覚他、覚行窮満」といい、仏の完成した徳を表す。日常会話ではあまり用いない。
別表記
- 自覺覺他
誤用・混同注意
- 「自覚他覚」としない。後半の「覚他」は「他者を悟らせる」という意味である。
- 「自覚覚他」は自己啓発一般を指す語ではなく、本来は悟りと他者の救済に関する仏教語である。
例文
- 菩薩道では、自覚覚他の精神を実践し、自ら学びながら人々を導くことが重んじられる。
- 住職は、自覚覚他こそが仏教者に求められる基本の姿勢だと説いた。
- 自分だけの救いを求めるのではなく、自覚覚他の心で地域の人々に接したい。