老婆心切
読み方:ろうばしん せつ
意味
年老いた女性が子や孫を細やかに気遣うような、非常に行き届いた親切心をいう。相手のためと思って、必要以上に世話を焼いたり、細かく忠告したりすること、またそのさまを表す。好意的に用いることもあるが、現代では「おせっかい」のような、やや批判的な含みを伴うこともある。
由来
中国・宋代に成立した禅の公案集『碧巌録』(12世紀前半)に見える禅語に基づく。「老婆心」は、年老いた女性が子や孫を案じるような、細やかで慈愛に満ちた心をたとえた語である。「切」は、心がひたすらであること、切実であることを表す。もとは禅の師が弟子を懇切に導く慈悲深い心をいう表現だった。
備考
「老婆」は現代語の高齢女性への呼称として使っているのではなく、子孫を案じる老女になぞらえた語。相手への敬意を欠く場面では、「おせっかい」と受け取られることがあるため用法に注意する。
誤用・混同注意
- 「老婆親切」と書くのは誤りで、正しくは「老婆心切」。
- 単に「高齢女性に親切である」という意味ではない。
- 常に褒め言葉とは限らず、必要以上の世話焼きという批判的なニュアンスを含む場合がある。
例文
- 初めて一人暮らしをする娘に、母は老婆心切に生活上の注意を伝えた。
- 先生は学生が失敗しないよう、老婆心切に書類の確認方法まで説明してくれた。
- 助言はありがたいが、何度も同じことを言われると、少し老婆心切に感じることもある。
分類
類義語
対義語
- 冷酷無情
- 無関心
- 放任主義