義憤填膺
読み方:ぎふん てんよう
意味
正義や道義に反する行為・不正を見聞きしたときに起こる強い憤りが、胸いっぱいに満ちること。「義憤」は正義感に基づく怒り、「填膺」は感情が胸に満ちる意である。単なる私的な怒りではなく、不正を許せないという道徳的な怒りを表す。
由来
中国語由来の成語。「義憤」は道義・正義に背く事柄への憤り、「填膺」は「填(満たす)」と「膺(胸)」から成り、感情が胸に満ちることをいう。清末の曾朴による小説『孽海花』第25回に「義憤填膺」の形で見られるとされる。『孽海花』は1905年ごろから刊行された作品である。なお、「填膺」という表現自体は南朝梁の江淹『恨賦』にも見える。
備考
主に文章語・硬い表現で、社会的不正や道義に反する行為への怒りに用いる。自分の利害が損なわれたことへの単なる腹立ちには通常用いない。
別表記
- 義憤塡膺
補足
- 「義憤天膺」と書くのは誤り。正しくは「義憤填膺」。
- 「填膺」を「てんおう」と読まない。標準的な読みは「てんよう」。
例文
- 不正な処分の実態を知った職員たちは、義憤填膺して改善を求める署名を集めた。
- 弱い立場の人々が搾取されているという報道に接し、彼は義憤填膺の思いで記事を書いた。
- 監督は歴史上の差別を描くことで、観客に義憤填膺だけでなく問題を変える行動を促した。
分類
類義語
- 悲憤慷慨
- 憤懣やるかたなし
- 義憤