羚羊掛角
読み方:れいよう かくかく
意味
詩歌・文章・芸術表現などが、技巧を凝らした形跡をまったく感じさせず、自然で奥深く、容易にはその趣や方法をとらえられないこと。転じて、行為の跡を残さず、探しても手掛かりがないことにもいう。
由来
中国・南宋(13世紀)の詩論家、厳羽の『滄浪詩話』「詩弁」に見える語。「盛唐の詩人の作品は興趣にあり、羚羊が角を木に掛けて足跡を残さないように、その妙味は跡を求められない」として、作為の跡を見せない優れた詩の境地をたとえた。羚羊はレイヨウのことである。
備考
主に詩歌・文章・芸術の批評で用いる雅語で、日常会話ではまれ。字面どおりの動物の習性を述べる語ではなく、「跡を求められない」ほど自然で妙なる表現をたとえる。
補足
- 「羚羊角掛」は語順の誤り(正しくは「羚羊掛角」)。
- 「かもしかかくかく」とは通常読まず、慣用的な読みは「れいようかくかく」。
例文
- この句には説明し尽くせない余情があり、まさに羚羊掛角の趣がある。
- 師は、技巧を誇示するのではなく、羚羊掛角のように作為を感じさせない文章を目指せと説いた。
- 批評家はその詩を、表現の跡をとどめない羚羊掛角の名作だと評した。