空谷伝声
読み方:くうこく でんせい
意味
人けのない静かな谷間で、発した声が遠くまで伝わり、こだまとなって響くこと。転じて、静寂の中で音声や言葉が際立って響き渡る情景を、漢文調・詩的に表す語。
由来
中国・南朝梁(6世紀初めごろ)の劉勰による文芸論書「文心雕龍」に見える「空谷伝声、虚堂習聴」に基づく。人のいない谷では声がよく伝わり、空の堂では音に耳を澄ませる、という静かな空間と音の響きを表した表現である。
備考
日常会話ではほとんど用いられず、漢文調・詩的な文章で用いられる。「空谷足音」は、まれな来訪者を喜ぶという別の意味の語である。
別表記
- 空谷傳聲
誤用・混同注意
- 「空谷足音」と混同しない。「空谷足音」は、人里離れた所で珍しい来訪者を喜ぶ意味であり、「空谷伝声」とは意味が異なる。
例文
- 雪に覆われた峡谷では、登山者の呼び声が空谷伝声のごとく何度も反響した。
- 映画は、無人の山あいに響く鐘の音を空谷伝声として描き、深い静寂を印象づけている。
- 早朝の渓谷に一声の鳥の鳴き声が響き、空谷伝声を思わせる趣があった。
分類
類義語
- 山鳴谷応
- 響徹雲霄