万籟無声
読み方
ばんらい むせい
意味
あらゆる物音や自然界の音が消え、あたりが完全に静まり返っていること。「万籟」は風・鳥・虫など、天地万物が発するさまざまな音をいう。深夜の山野や雪景色のような、音のない静寂な情景を雅やかに表す。
由来
「籟」は本来、管や笛から出る音をいい、『荘子』斉物論に「地籟・人籟・天籟」の語が見える。『荘子』は戦国時代(紀元前4~前3世紀ごろ)に成立したとされる。「万籟」は万物・自然界のさまざまな音、「無声」は音がない意であり、それらを組み合わせて完全な静寂を表す。四字句としての正確な成立時期は不詳。
分類・構成
備考
「万籟」は自然界のさまざまな音を指す語であり、主に景色や場の静けさを文語的・雅語的に描写する。日常会話では「静まり返る」「物音一つしない」などのほうが一般的。
誤用・混同注意
- 「万来無声」と書くのは誤りで、「籟」を用いる。
- 「万籟」は「ばんらい」と読み、「まんらい」とは読まない。
例文
- 深夜の雪山は万籟無声で、足が雪を踏む音だけが響いた。
- 祭りの熱気が去った境内は、万籟無声の静けさに包まれていた。
- 月明かりに照らされた湖畔は万籟無声となり、時間が止まったように感じられた。
類義語
- 万籟寂静
- 寂寂無声
- 鴉雀無声
対義語
- 喧喧囂囂
- 人声鼎沸