空空寂寂
読み方:くうくう じゃくじゃく
意味
仏教でいう「空」と「寂」の境地を重ねて表す語。すべてのものに固定不変の実体はないと悟り、執着や煩悩を離れて、心が澄みきり静まり返っているさまをいう。また、そのように人の気配や雑音がなく、ひっそりと静かなようすにもいう。
由来
仏教、特に中国禅の語彙に基づく。「空空」は、あらゆる存在に固定した実体がないという仏教の「空」の思想を強めた表現で、「寂寂」は煩悩が静まり、静寂であることを表す。両者を重ねて悟りの静かな境地をいうようになった。特定の一書を初出とする故事成語ではなく、正確な成立年・初出年代は未詳である。日本には禅語・仏教語として伝わった。
備考
日常会話ではあまり用いず、禅・仏教に関する文章や文語的な表現で使われる。「空」は単なる「からっぽ」、「寂」は単なる「寂しい」という意味ではなく、執着を離れた静かな悟りの状態を含む。
別表記
- 空々寂々
補足
- 「空」を単なる「からっぽ」、「寂寂」を単なる「寂しいこと」と解するのは不十分で、仏教的な空と静寂の境地を表す。
- 「空々寂々」は誤記ではなく、踊り字を用いた認められる表記である。
例文
- 禅僧は、坐禅を通して空空寂寂の境地を目指した。
- 夜明け前の山寺は空空寂寂として、鳥の声だけが響いていた。
- 騒ぎが去ったあとの本堂には、空空寂寂たる空気が満ちていた。