禍棗災梨
読み方:かそう さいり
意味
粗悪・有害な内容の書物を、むやみに出版して世間に害を及ぼすこと。転じて、内容を十分に吟味しないまま低質な出版物を大量に世に出すことをいう。
由来
中国で木版印刷を行う際、梨(なし)や棗(なつめ)の木が版木として用いられたことに由来する。「禍」「災」は、それらの木を切って版木にすることで損なう意。清代の紀昀による18世紀後半(1789年頃から1798年頃)成立の『閲微草堂筆記』に見える語とされ、粗悪な書物をみだりに刊行することを戒める表現となった。
備考
「梨」と「棗」は、かつて版木に使われた木材を指す。日常会話では稀で、出版物の質や出版倫理を批判する文脈で用いる。「災梨禍棗」とも書く。
別表記
- 災梨禍棗
誤用・混同注意
- 果物による災害を表す語ではない。梨・棗は木版印刷に用いる版木の材料を指す。
- 「災梨禍棗」は誤記ではなく、認められる異形である。
例文
- 内容を確かめず扇情的な本を次々に刊行するのは、まさに禍棗災梨だ。
- 編集部は禍棗災梨に陥らないよう、原稿の事実確認と監修を徹底している。
- 虚偽の情報を集めた書籍の出版は、現代における禍棗災梨だと批判された。
分類
類義語
- 粗製濫造
- 悪書の濫造