矯枉過正
読み方:きょうおうかせい
意味
曲がったこと・誤ったことを正そうとして度を越し、かえって別の不都合や誤りを生じさせること。「枉」は曲がっていること、「矯」はそれを正すこと、「過正」は正しすぎることをいう。必要な是正であっても、過度になれば害を招くという戒めである。
由来
中国の歴史書「後漢書」仲長統伝にある「矯枉過直、政之所難(枉を矯めて直に過ぐるは、政の難き所なり)」に基づく。後漢末(2世紀後半〜3世紀初頭)の思想家・仲長統の言葉とされ、史書「後漢書」自体は南朝宋の范曄が5世紀に編纂した。「曲がりを直そうとして、直しすぎる」ことから、過度の矯正をいう。
備考
主に政策・規制・教育・組織運営などで、問題の是正が極端に走ることを批判的に表す。原典に近い形として「矯枉過直(きょうおうかちょく)」も用いられる。
別表記
- 矯枉過直
補足
- 「矯正過正」とは書かない。正しくは「矯枉過正」。
- 「過正」を単に「正しすぎる」の意ではなく、是正が度を越して弊害を生むこととして用いる。
例文
- 不祥事の再発防止策も、監視を強めすぎれば社員の萎縮を招く。矯枉過正にならない配慮が必要だ。
- 学校の規則を見直す際には、一部の問題行動だけを理由に全員を厳しく縛る矯枉過正を避けるべきだ。
- 環境保護は重要だが、地域の実情を無視した一律の禁止令は矯枉過正との批判を受けた。
分類
類義語
- 過猶不及
- 行き過ぎ
- 過剰矯正
対義語
- 中庸
- 適正
- 過不足ない対応