真妄一如
読み方:しんもう いちにょ
意味
真実・悟りの世界を表す「真」と、迷いや誤った認識である「妄」は、究極の立場から見れば本来は別々のものではなく、一体であるという仏教の考え方。真実と迷いを対立する二つの実体として固定的に捉えないことをいう。
由来
大乗仏教の真如思想に基づく仏教語で、中国で成立・展開した大乗仏教の論書、とくに6世紀ごろ中国で広く受容された『大乗起信論』系の思想と関係が深いとされる。「真妄」は真実と虚妄・迷妄、「一如」は区別や差別がなく一体であることを表す。
備考
主に仏教哲学・禅の文脈で用いる語。日常会話ではまれである。「迷いも真理と同じだ」と単純化するのではなく、究極的な真理の立場から両者の不二を説く語である。
誤用・混同注意
- 「真妄一如」は、善悪や真偽の現実的な区別をすべて無意味とする語ではない。
- 「一如」を「一緒」「同一」とだけ解し、仏教における不二・差別のないあり方という意味を落としやすい。
例文
- 禅の教えでは、悟りと迷いを絶対的に切り離さない真妄一如の見方が重んじられる。
- 真妄一如という考え方に立てば、迷いの経験も悟りへ向かう契機として捉え直すことができる。
- 講師は、真妄一如とは善悪の区別を否定する意味ではない、と丁寧に説明した。
分類
類義語
- 煩悩即菩提
- 生死即涅槃
- 色即是空
対義語
- 真妄二元
- 真妄隔別