真如縁起
読み方:しんにょ えんぎ
意味
仏教思想で、万物の根本にある真実・不生不滅の理である「真如」が、無明などの条件に応じて迷いの世界や種々の現象として現れると説く考え方。また、その立場から現象世界の成り立ちを説明する縁起説をいう。
由来
中国で成立したとされる『大乗起信論』の「一心二門」説、特に真如と生滅の関係を説く部分を基盤とする仏教教理である。同論は伝統的に6世紀半ば(550年頃)に真諦が漢訳したとされ、日本では奈良時代以後、華厳・天台などの教学において受容・展開された。「真如縁起」という名称自体は、同論の思想を整理して呼ぶ教理用語である。
備考
日常会話で用いる四字熟語ではなく、仏教学・宗教哲学における専門用語である。「縁起」を単なる「出来事の前触れ」の意味で解釈しないよう注意する。
誤用・混同注意
- 「縁起」を「えんき」と読むのは誤りで、仏教語としては通常「えんぎ」と読む。
- 「真如縁起」は専門的な教理用語であり、一般的な「縁起がよい」の意味ではない。
例文
- 講義では、『大乗起信論』に見られる真如縁起の考え方を取り上げた。
- 真如縁起は、変化する現象の背後に真如を認めて世界を説明しようとする教説である。
- 華厳教学を学ぶには、真如縁起と法界縁起の違いを理解する必要がある。
分類
類義語
- 如来蔵縁起
- 真如随縁