登高自卑
読み方
とうこう じひ
意味
高い所に登るには低い所から登り始めるように、大きな目標や困難な事業を達成するには、まず身近な基礎や小さな事柄から、順序を追って着手すべきだという教え。地道な積み重ねの大切さをいう。
由来
中国の儒教経典『礼記』の「中庸」にある「譬如登高、必自卑(たとえば高い所に登るには、必ず低い所から始める)」に基づく。『礼記』は前漢時代、紀元前1世紀ごろまでに編纂・成立したとされる。原文では、遠くへ行くにも近い所から始めることと並べて、物事は足元から始めるべきだと説く。
分類・構成
備考
主に学問・仕事・修養などで、基礎から段階的に進む大切さを説く際に用いる。ここでの「自卑」は現代語の「自分を卑下する」「劣等感を抱く」という意味ではなく、「低い所から」の意。
誤用・混同注意
- 「自卑」を「自分を卑下すること」や「劣等感」の意味に解するのは誤り。この語では「低い所から始める」の意。
- 「登高自悲」と書くのは誤り(正しくは「登高自卑」)。
例文
- 新しい研究分野に挑むなら、まず基礎文献を読むという登高自卑の姿勢が必要だ。
- 会社の改革も登高自卑であり、最初に現場の小さな業務改善から取り組んだ。
- 師は弟子に、「大きな目標を急ぐな。基本を反復することが登高自卑だ」と諭した。
類義語
- 遠行自邇
- 積小為大
- 千里之行、始於足下
対義語
- 好高騖遠
- 急功近利
- 一足飛躍