生仏不二
読み方:しょうぶつ ふに
意味
衆生(迷いや煩悩をもつ普通の人々)と仏とは、本質において別のものではなく、一体であるという仏教の考え方。すべての衆生には仏となる可能性・仏性が備わるとする思想を表す。
由来
仏教、特に中国・隋代の天台智顗(538~597)が大成した天台教学に基づく語である。「衆生」と「仏」は二つに分けられないという教理を四字で表した。思想的な基盤は法華経にあり、日本では最澄(767~822)以後の天台系や日蓮系の仏教で重視された。現在の四字熟語としての正確な成立年は不明。
備考
「生」は単なる生命ではなく「衆生」を指し、「不二」は二番目がないという意味ではなく「二つに分けられない」の意。日常会話よりも、天台宗・日蓮系などの仏教教学で用いられる語。
別表記
- 生佛不二
誤用・混同注意
- 「生」は「生まれること」ではなく、ここでは衆生を指す。
- 「不二」を「二番目がない」の意味に取るのは誤りで、「二つではない・分離できない」という意味である。
例文
- 天台教学では、生仏不二の立場から、すべての人に仏となる可能性があると説く。
- 僧侶は生仏不二の教えを引き、人を一方的に見下してはならないと語った。
- この法話は、生仏不二という思想を通して、自他の尊厳を考えさせる内容だった。
分類
類義語
- 凡聖不二
- 煩悩即菩提
- 生死即涅槃