凡聖不二
読み方:ぼんしょう ふに
意味
仏教で、迷いの中にいる凡夫と悟りを得た聖者とは、究極の真理・本性の上では別々の存在ではない、という意味。人はだれでも仏性をもち、悟りに至る可能性を備えるという大乗仏教の考え方を表す。
由来
大乗仏教における「不二(対立する二つを超え、一体であること)」の思想に基づく仏教語である。凡夫と聖者を絶対的に隔てず、真如・仏性の立場では一つであると説く。特定の一句を典拠とする故事成語というより、インドで成立し中国・日本へ伝来した大乗仏教思想から生まれた表現で、正確な成立年は不明。日本では奈良時代以降に仏教教理とともに受容された。
備考
日常会話よりも、仏教・禅・思想に関する文章で用いられる語。「凡夫と聖者の現実の行いや能力に差がない」という意味ではなく、本性・真理の次元では二つに分けられないという教理をいう。
誤用・混同注意
- 「ぼんせいふに」と読むのは誤り。標準的な読みは「ぼんしょうふに」。
- 凡夫と聖者の社会的地位や実際の行為に差がないという意味に解するのは不正確。本性・真理の上での不二を表す。
例文
- 禅僧は、凡聖不二の教えに立ち、どの人にも仏性があると説いた。
- 凡聖不二という考え方は、他者を一方的に見下さないための大切な視点にもなる。
- この法話では、迷いを抱く日常そのものにも悟りへの道があるという凡聖不二の思想が語られた。
分類
類義語
- 聖凡不二
- 聖凡一如
- 迷悟一如
- 煩悩即菩提