狼顧之相
読み方:ろうこ の そう
意味
狼が首を後ろへ向けるように、体は前を向いたまま顔だけを後ろに振り向く人相。また、そのような人相を、野心が強く、油断ならない人物・反逆心を秘めた人物のしるしとみなすこと。転じて、陰険で不穏な野望を抱く人物をいう。
由来
中国の正史『晋書』の「宣帝紀」に見える故事に基づく。三国時代から西晋初期(3世紀)の政治家・司馬懿について、魏の武帝・曹操が「狼顧の相」があると聞き、振り向かせて確かめたという記述が由来とされる。体を動かさず顔だけを後ろに向けたため、曹操は司馬懿を警戒したという。
備考
本来は中国の人相観に基づく語で、現代では日常会話よりも歴史・文学・批評で用いられる。実際の容貌から人格や犯罪性を判断する考え方を支持する語ではない。
別表記
- 狼顧の相
例文
- 彼は権力者の前では従順に振る舞うが、その眼差しには狼顧之相を思わせる冷たさがあった。
- 小説では、主人公を裏切る重臣が狼顧之相を備えた人物として描かれている。
- 人相だけで人の善悪を判断し、狼顧之相だと決めつけるべきではない。