狂言綺語
読み方:きょうげん きご
意味
仏教で、真実や道理から外れた言葉である「狂言」と、必要以上に美しく飾り立てた言葉である「綺語」をいう。仏道の修行や悟りの妨げとなる、世俗的で無益な詩歌・文章・言葉を、戒めやへりくだりの意味を込めて指す。
由来
仏教において、言葉の過ちを戒める考え方に基づく語である。「綺語」は仏教の十悪の一つに数えられ、華美で中身のない言葉を指す。「狂言」と合わせて、仏道に直接役立たない詩文・歌などをいうようになった。中国仏教での厳密な成立時期は特定しにくいが、日本では平安時代(10~12世紀ごろ)に、和歌や漢詩を卑下していう表現として用いられた。
備考
現代の日常語ではほとんど用いない仏教・文芸史上の語。「狂言」は能・狂言のことではない。平安期には、和歌を仏道に結び付けて肯定する「和歌即仏法」の考え方も生まれた。
補足
- 「狂言」を能・狂言の意味だと誤解することがある。ここでは道理に外れた言葉をいう。
- 「狂言奇語」と書くのは誤りで、正しくは「狂言綺語」。
- 「綺語」を「きごう」と読むのは誤りで、読みは「きご」。
例文
- 出家後も詩を作ることは、狂言綺語に当たるのではないかと彼は自問した。
- 平安時代には、和歌を狂言綺語として仏道の妨げとみなす考え方もあった。
- その僧は、名声を得るためだけに書かれた華美な文章を狂言綺語として戒めた。
分類
類義語
- 妄語綺語
- 虚言妄語
- 浮華軽薄
対義語
- 正語
- 質実無華