犬馬之疾
読み方:けんば の しつ
意味
自分自身の病気を、犬や馬の病気になぞらえてへりくだっていう語。主君や目上の人に対し、自分を犬馬になぞらえて低く表現したものである。
由来
中国の礼法書『礼記』の「曲礼上」に見える語。「某有犬馬之疾(某に犬馬の疾あり)」といい、仕える者が自分の病気を謙遜して述べる礼法上の表現として用いられた。『礼記』は戦国時代から前漢期(紀元前3〜1世紀ごろ)に成立した礼制文献を、前漢期に編纂したものとされる。
備考
「犬や馬の病気」という意味ではない。自分を犬馬になぞらえる強い謙遜表現で、現代では古風・文語的である。「犬馬の労」とは意味が異なる。
別表記
- 犬馬の疾
誤用・混同注意
- 犬や馬が患う病気の意味だと誤解することがある。
- 主君に尽くす苦労をいう「犬馬の労」と混同しない。
例文
- 書状には、「犬馬之疾のため、明日の参上はかなわぬ」と記した。
- 家臣は主君への使者に、犬馬之疾を理由として欠席する旨を丁重に伝えた。
- 犬馬之疾は自分の病をへりくだっていう古い表現であり、現代の日常会話ではほとんど用いられない。
分類
類義語
- 負薪之憂