牽衣頓足
読み方
けんい とんそく
意味
別れを非常に悲しみ、去っていく人の衣服を引き留め、足を踏み鳴らして泣くこと。転じて、別れを惜しんで、悲痛な思いで相手を引き留めようとするさまをいう。
由来
中国・唐代(8世紀 შუごろ)の詩人・杜甫の詩「兵車行」にある「牽衣頓足拦道哭(衣を牽き、足を頓して道を拦みて哭す)」に基づく。戦地へ徴発される人々を、親や妻子が衣を引いて道をふさぎ、足を踏み鳴らして泣きながら見送る悲惨な情景を描いた句である。
分類・構成
備考
日常会話で用いることはまれな、文章語・古典的表現である。単なる引き留めではなく、深い悲しみや切迫した別離の情を伴う。
誤用・混同注意
- 単に「相手の服を引いて足止めすること」と解するのは不十分で、別れを惜しむ悲痛な感情を表す語である。
例文
- 赴任先へ向かう息子を、母親は牽衣頓足の思いで見送った。
- 戦争で召集される若者を前に、家族は牽衣頓足して別れを惜しんだ。
- 彼女は牽衣頓足するほど引き留めたが、友人の決意は変わらなかった。
類義語
- 依依不捨
- 恋恋不捨
- 後ろ髪を引かれる