牛衣夜泣
読み方:ぎゅうい やきゅう
意味
貧しく苦しい暮らしの中で、夫婦が将来を悲観して夜に泣き合うこと。また、生活に窮して嘆き悲しむことのたとえ。「牛衣」は、牛に着せる粗末なむしろ・覆いをいい、極度の貧困を表す。
由来
中国後漢の王章にまつわる故事に由来する。『後漢書』「王章伝」に、若いころ貧しかった王章が、牛に掛ける粗末なむしろ(牛衣)をかぶって寝ていた際、夜に自らの不遇を嘆いて泣いたところ、妻がこれを励ましたという話がある。『後漢書』は南朝宋の范曄が5世紀前半(432~445年頃)に編纂した歴史書である。
備考
日常会話で用いることは少なく、文章語・教養語として使われる。単なる「夜泣き」ではなく、困窮した夫婦が不遇を嘆く故事を踏まえた表現である。
誤用・混同注意
- 「牛衣夜哭」は中国語圏で用いられる表記だが、日本語の四字熟語としては通常「牛衣夜泣」とする。
- 乳幼児が夜に泣く「夜泣き」の意味ではない。
例文
- 事業に失敗して収入を失った夫婦は、牛衣夜泣の思いで明日の生活を案じた。
- 若き日の牛衣夜泣の苦労を忘れず、彼は成功後も質素な暮らしを続けた。
- この作品は、貧困に耐えながら支え合う夫婦の牛衣夜泣を描いている。