牛衣対泣
読み方
ぎゅうい たいきゅう
意味
貧しく苦しい境遇にある夫婦が、互いに向かい合って泣くこと。また、貧困や苦難の中でも夫婦が心を寄せ合い、支え合うことをいう。転じて、非常に貧しい夫婦の暮らしや、その苦労を共にする夫婦の情愛を表す。
由来
中国の歴史書『漢書(かんじょ)』「王章伝」に由来する。前漢・成帝の時代(紀元前1世紀ごろ)、貧しかった王章が病にかかり、布団もなく牛の防寒用の覆いである「牛衣」の中に妻と寝て、向かい合って泣いたという故事から生まれた。妻は王章を励まし、のちに王章は出世したと伝えられる。
備考
主に夫婦の貧苦と、それを共に耐える情愛を表す雅語・文章語。「牛衣」は牛に着せる防寒用の覆いで、読みは「うしい」ではなく「ぎゅうい」。実際に泣く場面に限らず、苦しい夫婦生活の比喩としても用いる。
例文
- 祖父母は若いころ、牛衣対泣ともいえる貧しい生活を送りながら、力を合わせて子どもたちを育てた。
- この小説は、戦後の混乱の中で牛衣対泣の日々を耐え抜く夫婦を描いている。
- 二人は牛衣対泣の境遇にあっても互いを責めず、将来への希望を失わなかった。