牛溲馬勃
読み方
ぎゅうしゅう ばぼつ
意味
取るに足りない、つまらない物事のたとえ。特に、価値の低い詩文や文章をへりくだっていう場合に用いる。もとは薬として用いられるがありふれた材料を指し、目立たない物にも用途があるという文脈で使われた語である。
由来
中国・唐代の文人、韓愈(768〜824)の文章「進学解」に見える。成立は元和7年(812年)ごろとされる。良医は玉札・丹砂のような貴重な薬材だけでなく、「牛溲馬勃」や破れた太鼓の皮まで、用いる時に備えてすべて集め蓄える、と述べた箇所に基づく。牛溲は牛の尿(または薬草名)、馬勃は薬用にもされたキノコの一種をいう。
分類・構成
備考
原典では、ありふれた薬材でも必要に備えて集めるという肯定的な文脈である。現代では「価値がないもの」の意で、主に物や文章に対して使われ、人に直接用いると強い侮蔑表現になり得る。
誤用・混同注意
- 「牛溲」を「牛糞」や「牛尿」と書き換えない。正しくは「溲(しゅう)」である。
- 「馬勃」を「馬糞」としない。正しくは「勃」を用いる。
例文
- 彼は自分の若い頃の詩を牛溲馬勃にすぎないと謙遜した。
- 古い記録を牛溲馬勃として捨てず、後世の研究のために保存しておこう。
- 批評家はその文章を牛溲馬勃と切り捨てたが、そこには当時の社会を知る手掛かりがあった。
類義語
- 無用長物
- 瓦礫土塊
- 取るに足りないもの