無我利他
読み方:むが りた
意味
自己への執着や私欲を離れ、他者の幸福・利益のために行動すること。仏教でいう「無我」の考え方に基づき、自分だけの利益を求めず、他者を助け育てようとする精神をいう。
由来
仏教の基本思想である「無我」と、他者を利益し救済することを表す「利他」を組み合わせた語である。「無我」は紀元前5世紀頃の初期仏教以来の重要な教えで、「利他」は大乗仏教(紀元前1世紀頃~)で重視された菩薩の実践と深く結び付く。四字熟語としての正確な成立時期・特定の典籍は不明である。
備考
仏教語だが、企業理念や福祉・医療の場でも用いられる。「無我」は自分を無価値とみなす意味ではなく、固定的な自己への執着を離れるという仏教的な考え方である。
補足
- 「無我利他」を、心身を顧みない単なる自己犠牲の意味に限定して解するのは不正確。
- 最澄の言葉として知られる「忘己利他(己を忘れて他を利する)」と混同されることがあるが、別の熟語である。
例文
- 医師は無我利他の精神で、休日にも被災地の診療支援に赴いた。
- 会社は無我利他を理念に掲げ、地域社会に役立つ事業を続けている。
- 無我利他とは、自分を無視することではなく、私欲にとらわれず他者のために尽くす姿勢である。
分類
類義語
対義語
- 利己主義
- 我利我利
- 自己中心