烏兎怱怱
読み方:うと そうそう
意味
月日・歳月が、非常にあわただしく早く過ぎ去ること。「烏」は太陽、「兎」は月を表し、太陽と月が次々に巡るように、時の流れが速いことをいう。
由来
中国の古い神話・天文観に由来する。「烏」は太陽に烏がいる、「兎」は月に兎がいるという伝承から、それぞれ太陽・月、すなわち日月を表す語となった。「怱怱」は、せわしく急ぐさま。日月が慌ただしく移り変わるという比喩から、歳月の速さを表す。こうした日月観は漢代(紀元前2世紀~紀元後2世紀ごろ)までに広まったが、この四字形そのものの正確な初出・成立時期は未詳。
備考
文章語・雅語的な表現であり、日常会話では「月日があっという間に過ぎる」などが一般的。「烏兎」は動物そのものではなく、太陽と月の比喩である。
別表記
- 烏兎匆匆
誤用・混同注意
- 「烏兎」を単なるカラスとウサギの意味と解するのは誤りで、太陽と月を指す。
- 「烏鳥怱怱」と書くのは誤り(正しくは「烏兎怱怱」)。
- 「怱怱」を「急々」と書き換えるのは不適切。「匆匆」は異体字による認められた表記である。
例文
- 卒業してから十年が過ぎたが、烏兎怱怱の感があり、同窓会で再会した友人たちの変化に驚いた。
- 新規事業の準備をしているうちに日々は烏兎怱怱と過ぎ、気づけば締切直前になっていた。
- 年の暮れに一年を振り返ると、烏兎怱怱、何かを成し遂げる間もなく月日が流れたように思える。