為人作嫁
読み方:いじん さか
意味
他人のために骨を折って働き、自分の努力や成果が自分には報われず、結局は他人の利益や成功になること。多くは、自分の不遇や徒労を嘆く、やや否定的なニュアンスで用いる。
由来
中国・唐代(9世紀ごろ)の詩人、秦韜玉(しんとうぎょく)の詩「貧女」の末句「苦恨年年圧金線、為他人作嫁衣裳(苦しくも恨む、年ごとに金糸で縫うが、他人のために嫁入り衣装を作る)」に基づく。貧しい未婚女性が、他人の嫁入り衣装ばかりを縫う境遇を、自分の才能が他人に利用されることにたとえた表現である。
備考
「人の結婚を仲介する」という意味ではない。原義は他人の嫁入り衣装を作ること。善意の支援を表す場合よりも、努力が他人だけの利益になる不満・不遇をいう場合に用いられる。
誤用・混同注意
- 「人の結婚を世話・仲介すること」という意味に解するのは誤り。
- 単に他人を助ける美談として用いると、本来の「自分には報われない」という含意が薄れる。
例文
- 長年かけて開発した技術を会社に譲渡した結果、競合他社だけが利益を得るとは、まさに為人作嫁だ。
- 下請けとして働き続け、製品の名声は元請けだけのものになるので、為人作嫁の思いを抱く職人もいる。
- 友人の事業を無償で手伝ったが、成功後に何の評価も得られず、為人作嫁に終わった。
分類
類義語
- 縁の下の力持ち
- 他人のために尽くす
対義語
- 自己本位
- 利己主義