渇驥奔泉
読み方
かっき ほんせん
意味
のどの渇いた駿馬が、水を求めて泉へ勢いよく走るという意。主に書道・書画について、筆の運びが激しく、力強く、勢いに満ちているさまをいう。転じて、ある目的に向かって抑えがたい勢いで進むさまにも用いる。
由来
中国・唐代(618~907)に、書家の徐浩(じょこう)の書を評した言葉に由来するとされる。「渇驥」は渇いた駿馬、「奔泉」は泉へ走ること。唐代の人物伝を収めた『新唐書』(北宋、1060年ごろ完成)の徐浩伝などに見え、力強い書の筆勢をたとえた。
備考
主に書道や書画の筆勢をほめる、文学的で専門性の高い語。日常会話で「急いで走る」という意味だけで用いることは少ない。「怒猊抉石」と対にして使われることがある。
例文
- 書道展に出された行書には、渇驥奔泉と評したくなるような力強い筆勢があった。
- 師はこの作品について、「渇驥奔泉の勢いはあるが、余白の静けさも大切にしなさい」と講評した。
- 太い線が紙面を駆け抜けるその書は、まさに渇驥奔泉の趣を備えている。
類義語
- 怒猊抉石
- 竜飛鳳舞
- 筆力縦横
対義語
- 春蚓秋蛇
- 筆力軟弱