泡沫夢幻
読み方:ほうまつむげん
意味
泡や水面のあわ、夢、幻のように、形あるものや人生の出来事は実体がなく、きわめてはかないことをいう。世の中の栄華・財産・地位などが、いつまでも続くものではないという無常観を表す。
由来
仏教経典の「金剛般若経(金剛経)」にある偈「一切有為法、如夢幻泡影、如露亦如電、応作如是観」に基づく表現である。同経は後秦の鳩摩羅什が402年頃に漢訳したとされる。経文の代表的な語順は「夢幻泡影」だが、日本では泡・沫・夢・幻を並べた「泡沫夢幻」も、万物のはかなさを示す四字熟語として定着している。
備考
仏教的な無常観を表す、やや文語的・格調高い語。単に「むなしい」という悲観だけでなく、執着を離れて物事を見つめる姿勢を含みうる。原典に近い語として「夢幻泡影」も広く用いられる。
誤用・混同注意
- 原典の句および類義の四字熟語「夢幻泡影」と混同しやすいが、両者は別の語として扱われる。
- 「泡沫」を「あわまつ」と読むのは誤りで、四字熟語としては「ほうまつむげん」と読む。
例文
- 戦乱によって築き上げた城も失われ、かつての栄華は泡沫夢幻であった。
- 地位や財産を泡沫夢幻と見て、今この瞬間を誠実に生きようと彼は語った。
- 祭りのにぎわいが過ぎ去った後の静かな町並みに、泡沫夢幻の趣を感じた。