氤氲靉靆
読み方:いんうん あいたい
意味
雲・霧・水蒸気などが一面に濃く立ちこめ、空や景色がぼんやりとして薄暗く見えるさま。「氤氲」も「靉靆」も気や雲霧が漂い満ちる意であり、似た意味の語を重ねて、濃密で幽玄な景色を強調する。
由来
「氤氲」と「靉靆」という、いずれも雲・霧・気が立ちこめるさまを表す古い漢語を重ねた語である。「氤氲」は先秦から漢代にかけて成立した漢文に見える「絪縕」と同系の語とされる。一方、四字で固定した形としての正確な初出・成立時期は不詳で、漢文的・詩文的な表現として用いられてきた。
備考
日常会話ではほとんど用いない、漢文調で文学的な語。自然描写、詩歌、山水画の説明などに適する。「靉靆」は「あいたい」と読む。
別表記
- 氤氳靉靆
誤用・混同注意
- 「靉靆」を「あいだい」と読むのは誤りで、読みは「あいたい」。
- 日常的な「会いたい」と同音だが、雲や霧が立ちこめるさまを表す語であり、人物に会う意味ではない。
例文
- 夜明けの湖畔には氤氲靉靆たる霧が漂い、水面と空の境が見分けにくかった。
- その山水画は、峰々を包む氤氲靉靆たる雲によって、奥深く幽玄な趣を表している。
- 雨上がりの谷は氤氲靉靆のありさまで、遠くの集落は霞の向こうにかすんでいた。
分類
類義語
- 雲煙縹渺
- 朦朧模糊
- 雲屯霧集