極悪深重
読み方:ごくあく じんじゅう
意味
きわめて悪が深く、罪が非常に重いこと。主に仏教、特に浄土教で、煩悩や悪業を重ねて自力では悟りや救いに至りがたい凡夫・衆生のあり方を表す。単に「極悪な人」とののしる語としては用法が限られる。
由来
仏教、特に中国から伝わった浄土教系の語彙に由来する。「極悪」はこの上なく悪いこと、「深重」は罪や業が深く重いことをいう。中国・隋唐期(6~10世紀ごろ)以降の浄土教文献で用いられ、日本では平安末~鎌倉期以降、浄土宗・浄土真宗の教義や説教で広く用いられた。特定の一文献だけを典拠とする定型句ではない。
備考
主に浄土教・浄土真宗の文脈で用いられる語。「極悪人」と断罪する語というより、煩悩を抱え罪業の深い凡夫を自覚する宗教的表現である。対人非難には慎重な使用が望ましい。
別表記
- 極惡深重
誤用・混同注意
- 「極悪人」を意味する日常的な悪口としてのみ用いると、本来の仏教的な「罪業が深く重い凡夫」という意味を取り違えやすい。
- 「深重」を「慎重」と書くのは誤り。
例文
- 浄土教では、極悪深重の凡夫であっても阿弥陀仏の本願によって救われると説く。
- 自らを極悪深重の身と省みることは、他者を裁くためではなく、自己の煩悩を見つめるという文脈で語られる。
- この語は本来仏教語なので、現代の日常会話で他人を極悪深重と呼ぶと、必要以上に強い非難になる。
分類
類義語
対義語
- 善根深厚
- 功徳円満