朱門酒肉
読み方:しゅもん しゅにく
意味
富貴で権勢のある家では、酒や肉が余るほどぜいたくに用いられていること。転じて、一方では富裕層がぜいたくをするのに、他方では貧しい人々が飢え苦しむような、著しい貧富の差や社会の不公平をいう。
由来
中国・唐代の詩人、杜甫の「自京赴奉先県詠懐五百字」にある「朱門酒肉臭、路有凍死骨(朱門には酒肉臭く、路には凍死の骨あり)」に基づく。安史の乱の直前に当たる天宝14載(755年)ごろ、貴族・富豪のぜいたくと民衆の窮乏との対照を詠んだ句である。「朱門」は富貴な家の赤く塗られた門を指す。
備考
本来は杜甫の詩句の前半で、後半の「路有凍死骨」と対にして貧富の格差を表す。単に「豪華な食事」の意味ではなく、ぜいたくと民衆の窮乏の対照を含む語である。
誤用・混同注意
- 「朱門酒肉」は、酒や肉そのものを非難する語ではなく、富者のぜいたくと貧者の困窮との対照を表す。
- 原句は「朱門酒肉臭、路有凍死骨」であり、「朱門酒肉」だけでは原詩の対照表現の前半に当たる。
例文
- 朱門酒肉の暮らしを送る者がいる一方で、生活費にも困る人がいる現状を見過ごしてはならない。
- 彼の小説は、朱門酒肉と路上生活者の困窮を対比させ、社会の格差を鋭く描いている。
- 支援策が富裕層ばかりを利するなら、朱門酒肉を助長するだけだという批判もある。
分類
類義語
対義語
- 飢寒交迫
- 貧困困窮