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有余涅槃

読み方:うよ ねはん

意味

仏教で、煩悩を完全に断って悟り・解脱を得ながら、なお肉体や生命などの残り(余依)を有している状態の涅槃をいう。阿羅漢や仏が生存中に到達する涅槃とされ、死後に心身の残りが完全に滅した「無余涅槃」と対比される。

由来

古代インド仏教に由来する涅槃論の用語で、釈迦仏教が成立した紀元前5世紀ごろを背景にもつ。サンスクリット語の「残りの依りどころを伴う涅槃」に当たる語を、漢訳仏典で「有余依涅槃」と訳したことに基づく。「有余涅槃」はその略称であり、『大般涅槃経』などの仏典で無余涅槃との対概念として説かれる。

備考

日常的な「余裕がある」という意味ではなく、仏教の専門用語である。正式には「有余依涅槃」といい、主に初期仏教・部派仏教の涅槃観を説明する際に用いられる。

誤用・混同注意

  • 「有余」を日常語の「余裕がある」の意味として解するのは誤り。仏教における「余依」を伴う涅槃を指す。
  • 死後に一切の残りが滅した状態を指す「無余涅槃」と取り違えない。

例文

  • 有余涅槃とは、煩悩を断じた聖者が生身のまま到達する涅槃を指す。
  • 講義では、有余涅槃と無余涅槃の違いが図を用いて説明された。
  • 阿羅漢は悟りを得た後、入滅するまで有余涅槃にあると説かれることがある。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字