抱残守缺
読み方:ほうざん しゅけつ
意味
古く不完全な制度・習慣・学説などに執着し、時代に合わせて改めようとしないこと。「残」は残り物、「缺(欠)」は欠けたものをいい、価値の乏しい古いものを抱え守り続ける、という批判的な意味で用いる。
由来
中国後漢の班固が編んだ歴史書『漢書』の「劉歆伝」にある「猶欲保残守闕(なお残を保ち闕を守らんと欲す)」に由来する。本文では、古い学説の断片に固執し、正しい意見を受け入れない態度を批判している。『漢書』は1世紀、班固らによって編纂され、後漢の82年ごろに完成したとされる。後に「抱残守缺(欠・闕)」の形で成語化した。
備考
主に、時代遅れの考えや制度への固執を非難する際に使う、硬い書き言葉である。「抱残守欠」「抱残守闕」とも表記する。伝統そのものを尊ぶ意味ではない。
別表記
- 抱残守欠
- 抱残守闕
誤用・混同注意
- 「抱残守旧」は、「因循守旧」などとの混同による表記であり、定着した四字熟語としては用いない。
- 「残」を単に『古いもの』、「缺(欠)」を単に『不足』とだけ解して、改革を拒むという批判的な意味を落とさないよう注意する。
例文
- 新しい制度の検討もせず、以前の規則だけを守ろうとするのは抱残守缺の姿勢だ。
- 伝統を尊重することと、抱残守缺に陥って改革を拒むこととは別である。
- 市場の変化に対応できなかった背景には、経営陣の抱残守缺があった。