投鞭断流
読み方
とうべん だんりゅう
意味
多数の兵士が持つ鞭を川に投げ入れれば、その数だけで川の流れをせき止められるほど、軍勢が非常に多く強大であること。転じて、圧倒的な人数や勢力をいう。
由来
中国・東晋時代の太元8年(383年)ごろ、前秦の君主である苻堅が東晋を攻めようとした際、「わが軍の鞭を長江に投げ入れれば、その流れを断つに足りる」と豪語した故事に基づく。『晋書』の「苻堅載記下」に見える。この後、苻堅の軍は淝水の戦いで東晋軍に敗れた。
分類・構成
備考
本来は軍勢の多さを誇張して表す語である。故事では苻堅の過信を示す発言であり、淝水の戦いで敗れた経緯があるため、単なる強さの称賛ではなく、大言壮語・過信を連想させることもある。
誤用・混同注意
- 「投弁断流」は誤り。正しくは、むちを意味する「鞭」を用いて「投鞭断流」と書く。
- 実際に鞭で川をせき止める意味ではなく、軍勢が非常に多いことを誇張した表現である。
例文
- 敵国は投鞭断流の大軍を国境付近に集結させた。
- わが軍は投鞭断流の兵力を誇ったが、指揮系統の混乱によって敗北した。
- 史料には、投鞭断流の勢いで南へ進軍する前秦軍の様子が記されている。
類義語
- 兵強馬壮
- 百万雄師
- 大軍圧境
対義語
- 寡兵
- 勢力薄弱
- 孤立無援