愚不可及
読み方
ぐ ふかきゅう
意味
本来は、乱世にあって意図的に愚者のように振る舞い、身を処する知恵は、だれにもまねできないほど優れているという意味。現代では転じて、だれも及ばないほど愚かであること、または非常にばかばかしいことを、強い非難や皮肉を込めていう場合が多い。
由来
中国古典の『論語』公冶長篇に由来する。春秋時代(紀元前6~5世紀ごろ)の衛の政治家・寧武子について、孔子が「国に道が行われるときの知恵は人も及べるが、国が乱れたときに愚者のように振る舞う知恵には及べない」と評した「其知可及也、其愚不可及也」が出典である。『論語』は孔子没後、紀元前5~4世紀ごろに弟子たちにより編集されたとされる。
分類・構成
備考
原典では寧武子の「愚」は、乱世にあえて愚者を装う処世の知恵を称賛した語である。現代語では「この上なく愚かだ」という否定的な意味で使われることが多く、文脈に注意が必要。
誤用・混同注意
- 原典の「愚不可及」を、単に「救いようがないほど愚か」という非難だけの語だと解するのは不正確。本来は、乱世に愚者を装う寧武子の知恵を称賛した表現。
- 「ぐふかぎゅう」と濁って読むのは誤りで、標準的な読みは「ぐふかきゅう」。
例文
- 彼は権力者の前であえて愚不可及を装い、政争の渦中から身を守った。
- 事情を確認せずにうわさを広めるとは、愚不可及な行為だ。
- 原典の愚不可及は単なる愚かさではなく、乱世を生き抜くための深い知恵をたたえた言葉である。
類義語
- 愚昧無知
- 愚鈍
- 無知蒙昧
対義語
- 聡明才智
- 賢明
- 才気煥発