心外無法
読み方:しんがい むほう
意味
心の外に、独立して存在する「法」すなわち真理・事物・現象はない、という仏教、とくに禅の考え方。悟りや仏を外部に求めるのではなく、すべては自分の心のはたらきと深く関わると説く。ここでの「法」は法律の意味ではない。
由来
中国・唐代(9世紀ごろ)の禅僧、黄檗希運の語録とされる『伝心法要』に見える「心外無別法(心のほかに別の法はない)」という趣旨に基づく仏教語。「心外無法」はその趣旨を四字に縮めた形で、悟りを自心の外に求めないという禅の思想を表す。
備考
禅・仏教の文脈で用いる語。「法」は法律ではなく、真理、教え、存在・現象などを指す。日常会話ではまれで、思想や宗教を論じる場面に適する。
誤用・混同注意
- 「法」を法律の意味だけで解釈するのは不適切。ここでは仏教上の真理・存在・現象をいう。
- 「心外無別法」は出典に見られる関連表現だが、五字であり、「心外無法」とは字数が異なる。
例文
- 禅師は、悟りを遠くに探し求める弟子に対し、「心外無法なのだから、まず自分の心を見なさい」と諭した。
- 心外無法という考え方は、悩みの原因を外界だけに求めず、自分の受け止め方を省みる契機にもなる。
- 彼は心外無法の教えを学び、仏性は自分の外ではなく内にあると考えるようになった。