得意忘言
読み方
とくい ぼうげん
意味
言葉は思想や意味を伝えるための手段であり、その真意を十分に理解したなら、言葉そのものに執着する必要はないということ。転じて、文章や説明の字面だけにとらわれず、本質・趣旨をくみ取ることをいう。
由来
中国・戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』の「外物」篇に由来する。「言は意の在る所以、意を得て言を忘る」とあり、言葉は意味を得るための手段で、意味を理解した後は言葉への執着を離れる、という思想を表す。
分類・構成
備考
「得意」の「意」は「意図・意味」であり、ここでの「得意」は「自信がある」「得意分野」の意味ではない。言葉を軽視するのでなく、言葉を通して本質を理解することを重んじる語である。
誤用・混同注意
- 「得意」を『自慢である・自信がある』という現代語の意味で解釈するのは誤りで、「意を得る」の意である。
- 「得魚忘筌」と混同し、「得意忘筌」とするのは誤り。
例文
- 古典を読む際は、字句の解釈に終始せず、得意忘言の姿勢で著者の真意をくみ取りたい。
- 師は「説明を暗記するだけでなく、得意忘言で概念そのものを理解しなさい」と諭した。
- 彼の批評は細かな表現に執着せず、得意忘言の境地から作品の本質を論じている。
類義語
- 得魚忘筌
- 得兎忘蹄
- 忘筌
対義語
- 言葉に拘泥すること
- 形式にとらわれること