影形相弔
読み方:えいけい そうちょう
意味
ひとりぼっちで非常に孤独なこと。自分の姿(形)と影だけが、互いにいたわり慰め合うほど頼る者がいない、という意味で用いる。
由来
中国・西晋の李密が、晋の武帝に祖母の養育を理由として仕官の辞退を願い出た文章「陳情表」(泰始3年・267年頃)にある「形影相吊」に由来する。身寄りのない李密が、姿と影だけが互いに慰め合うほど孤独であると述べたもの。日本では「影形相弔」ともいい、「弔」はここでは死者を弔う意ではなく、いたわり慰める意である。
備考
文章語・文学的な表現で、日常会話では「とても孤独だ」「ひとりぼっちだ」などと言うのが一般的。「弔」は葬儀の意味ではなく「いたわる」の意。原典に近い形として「形影相弔」も用いる。
別表記
- 形影相弔
誤用・混同注意
- 「弔」を葬儀・死者への弔意だけの意味と解し、「互いに葬儀をすること」と誤解しない。ここでは「いたわり慰める」意である。
- 原典の中国語には「形影相吊」とあるが、日本語の四字熟語では通常「弔」を用いる。
- 「形影相弔」は誤記ではなく、原典に近い認められた異形である。
例文
- 長年の単身赴任で、彼は影形相弔ともいうべき暮らしを送っていた。
- 頼れる親族も友人もなく、異郷で影形相弔の思いを味わった。
- 物語の主人公は城を追われ、影形相弔の日々のなかで再起を決意する。